遊休農地を活用した大豆づくりで町おこしを
「大豆は、日本の食卓に欠かせないもの。それなのに約9割以上が輸入なんておかしいですよね」と語るのは、特定非営利活動法人フィールド’21理事の坂本昭さん。
山梨県甲斐市にある約7,000平米の遊休農地を利用し、大豆づくりに挑戦。味噌・豆腐などに加工し、地産地消を目指しています。「輸入すればそれだけ燃料や二酸化炭素量排出量が多くなる。大豆づくりは町おこしとともに、食料問題・エネルギー問題について考えてもらういい機会になると思いました」
2003年、測量技師の坂本さんは、地域の気象データ採取や水質・土壌調査などを実施するために、気象予報士・建築士など12名の専門家で団体を立ち上げます。「例えば、畑の土壌調査をしたいと思ったとき、行政では手続きや金銭の面でハードルが高い。そこで、気軽に相談できる場所を作りたかった」と坂本さんは当時を振り返ります。
2004年には、『山梨県地球温暖化防止推進センター』に指定。法律によって定められているこのセンターは全国に45か所設置されており、「フィールド’21」も行政・環境関連団体などと連携をとりながら、セミナーやキャンペーンを実施しています。
2006年、環境に関する町おこしができないかと模索していた中、10年以上使っていない農地があるのでどうにかしてほしいという相談を受けます。「とりあえず背丈ほどある雑草の刈り取りですよ」と事務局の斉木さん。
2007年に専門家のアドバイスを受け、大豆作りに着手します。「大豆は土を肥やし、比較的に簡単に育てられると聞きました。また、いろんな加工品も作りやすい。とにかくまず始めてみようと」初めての試みということもあり、実際は予定の3割しか収穫できなかったそう。しかし、お二人は笑顔で続けます。「予想以上に手ごたえがあったんです」
土壌作りから始めた大豆の栽培は、メンバーだけでは人手が足りません。そこで、ボランティアを募ったところ、大学生や主婦、勤労者などが参加、地元の農家も含め世代間交流がすすみました。
また、当初、業者に頼む予定だった味噌づくりは、北杜市にある農協の加工施設を利用し、自分たちの手で行うことが出来ました。この施設では小麦の製粉も行っていますが、味噌製造場の利用は毎年減り続けています
「技術者から味噌づくりを指導してもらえたことも大きい。その方は高齢なので、自分たちが後継者になろうかとも考えているんですよ」と斉木さん。
収穫した350kgの大豆は、味噌、納豆、豆腐、豆乳など様々な加工品に。料理教室をつかっての試食会は、メンバー間のよいコミュニケーションの場になっています。
2008年には、大豆のほか小麦、とうもろこし、菜種などの栽培も開始。甲斐市には遊休農地が多くあるので、今後も拡大していきたいと意欲的です。「今はメンバーだけの消費です。これからは、多くの人たちに試食・批評してもらい、販売やレストラン運営などにつなげたいですね」坂本さんたちのチャレンジはまだまだ続きそうです。
特定非営利活動法人 フィールド‘21 (理事長:中込秀樹)
〒400-0035 山梨県甲府市飯田4-1-21
TEL・FAX: 055-228-830
中央ろうきんでは、07年、特定非営利活動法人フィールド‘21『遊休農地を活用した大豆づくりによる町おこし事業』を助成しました。