
井ノ口 登
日本自治団体労働組合(自治労)国際局長)
| 経歴 | 90年 自治労京都府本部委員長 96年 南アフリカ日本大使館 98年 国際公務労連(PSI)東アジア事務所長 99年 現職 |
| 住まい・出身地 | 京都府宇治市/大分県中津市 |
| 好きな言葉 | 「若くして学べば壮にして事をなし、 壮にして学べば老いて衰えず、 老いて学べば死して朽ちず」 |
| 趣味 | 読書、映画 ジョン・ダウアーやジェフリー・サックスなど社会性の強いものをよく読みますが、最近は浅田次郎を好んで読んでいます。 |
| 最近嬉しかったこと | 7月の参議院選挙で相原久美子さんが当選したこと。 |
自治労は、公共サービスの職場で働く者の労働組合です。国際局 では、自治労が加盟している国際公務労連(PSI)や、国際労働機関 (ILO)の業務などを通じ、人権や国際労働基準などグローバルな対 応が求められる課題解決に取り組んでいます。 また、特定非営利活動法人エファジャパン(http://www.efa-japan.org/) のコーディネート業務も行っています。この団体は、自治労の海外支 援事業「アジア子どもの家」を発展させるために04年に設立されたもので、 東南アジアを中心に大地震被災者支援や図書館・幼稚園建設などを 行っています。
質の高い公共サービスの提供は、自治労の大きな目的であり、また、 世界中の公共サービス従事者が目指していることです。そのために、P SIや自治労では、市場原理を公共サービスに導入することの問題点を 指摘し、市民本位の質の高い公共サービス確保に向けて活動をしてい ます。 例えば、マニラ市では水道事業を民営化しましたが、水質が悪い上、 値段が7倍に。そして、そこで働く3,000人の労働者をリストラしました。 PSI・自治労は、融資先であるアジア開発銀行に対し、民間委託による 弊害と具体的な改善策を提示する予定です。ぜひ成功させたいですね。
ネパール、バングラディシュ、タイなどで水道事業の民営化が検討される中、PSIでは、公共サービスとして続けるよう働きかけてきました。 結局、民営化されましたが、よい成果を得ていないことがわかり、このままでいいのかという問題意識は広がってきています。競争によって水の値が下がるといわれていますが、実際は、寡占化が進んでいるのです。こういうことを多くの人たちに知ってもらいたいですね。
市民・住民本位の公共サービス確立です。日本の公共サービスのパフォーマンスは高いといわれていますが、それを支えているのは、労働者の質の高さ。例えば水道事業でいうと、「人の口に入るものは、清潔でなければならない。そのためには何をしなければならないか」そういう意識が公共サービスを支えているんですよね。そのようなモラル・倫理観を確保することも自治労の大きな役割だと考えています。
消防士は公務災害が多いにもかかわらず、団結権が認められていま せん。つまり組合がつくれない。これはILO違反なんです。ようやく06年 に自主組織の全国消防職員協議会が、PSIに加盟しました。国内の法 律がどうであれ、PSIでは加盟を認めています。 公務災害がおこっても労使が対等な立場で職場改善がなされず放置 される環境は、公共サービスの劣化につながります。そうならないため にも、消防労働者の団結権の獲得に向けてこれからも取り組んでいきたい 課題です。
公共サービスを自分のこととして考えてほしい。PSIや自治労では、 公共サービスの世界的な定義として「誰もがアクセスできること」 「人々の生活と成長にとって欠かすことができないもの」と考えています。 その公共サービスが劣化するとなると、悲劇しかもたらさない。 民営化を進める際に、コスト面のみ取り出されますが、質をも含め トータルに考えていただきたいですね。