中央労福協 事務局長 高橋 均さん



高橋 均 さん


中央労福協 事務局長



経 歴

 

 1970年9月 (株)読売旅行入社

 


 1974年1月 読売旅行労働組合結成に参加。
          書記長・委員長を歴任。

 

 1990年7月 観光・航空貨物産業労働組合連合会
          (観光労連)中央執行委員長

 

 1996年10月 連合本部組織調整局長

 

 2000年11月 (株)ワークネット
          (連合版ハローワーク事業)専務取締役兼務
 

 2003年10月 連合副事務局長

 

 2007年11月 現職

 

住まい・出身地

 

 千葉県船橋市/京都市生まれ

 

好きな言葉

 

  「連帯」 

  二人以上はいいときばかりじゃなく、わずらわしいときもある。

  いいときも悪いときも含めてやっていくような、
  そういう人間的な価値観を持ちたい。

 

趣 味

 

 家庭菜園

 

最近嬉しかったこと

 

 (今回の取材のように)"語り部"として、色々な機会で話をすることが
 面白いと思っています。

 

今の活動(仕事)について教えてください。


 今年は労福協結成60年にあたりますが、その記念の年に事務局長を務める者として、そもそもの労福協設立の目的や<ろうきん>誕生の背景などを、原点に振り返って皆さんにお伝えしたいと思っています。

 戦後の労働組合は、組織ごとに分裂した状況で、食糧や生活物資の不足に対し各組織がそれぞれ切実な運動を展開していました。しかし、労働組合の組織間の競合はあっても生活物資の調達・不足については皆で取り組むべきである、福祉分野の目的は一つである、『福祉は一つ』として1949年に誕生したのが現在の労福協です。思想・信条の相違を超えて"つながる"このスタンスは、労福協の創業のDNAとして現在まで受け継がれています。

 また、戦後当時、働く人が日常の小口のお金を借りる場所は質屋(一六銀行)や高利貸ししかなかったのです。当時の労働組合でもスト資金を備えていましたが、銀行に預金はあるのに貸せない、つまり豊富な闘争資金を持ちながら金融機能を持たない状況でした。そうする間にも、働く仲間が高利の質屋や闇金融に頼って、ますます生活が圧迫されている――。


「質屋・高利貸しから開放をめざし、自分たちの銀行を作ろう!」
「労働者が自分たちのために、自分たちの金で、自分たちの資金を循環させていく仕組みを作ろう!」


 こうして誕生したのが「労働金庫」です。 「生活物資対策の充実と労働金庫の設立」という協議は中央労福協を中心に推進され、1953年の労働金庫法制定に結びついていきます。労働金庫の母体は、労福協なのです。


活動(仕事)を通じてのやりがい、喜びは?


 こうして話をしている時ですね(笑)。現役を終えて、"語り部"の活動をすることです。歴史を忘れたものは滅ぶ。歴史を語る人がいなくなった時に、その民族は滅ぶのです。過去に労働組合は取り組んできたこと、なぜこうしたことをやってきたのかということを語り継がなくなった時に、労働組合も終わるのです。
 「昔は良かった」と懐かしがれというわけではなく、「昔こんなことがあったんだよ」ということを知った上で活動してほしい。それを語れるのはOBです。OBとして、「歴史を忘れないでね、常に原点を思い起こしてくださいね、」と語り伝え思い起こす、語り部としてやっていきたいと思っています。


活動(仕事)を続けていく上で苦労したこと。またそれをどうやって乗り越えましたか?


 組合員への労働金庫の利用を運動として呼びかけていると、「なら高橋さん、ろうきん運動の推進とはいうけれど、ろうきんに預ける100万円と、他の金融機関に預ける100万円はどう違うんだ、同じじゃないのか?」と尋ねられることもあります。
 ですが、それは違うのです。僕が中央ろうきんに預けた100万円は、○○さんの住宅ローンに回る、あるいは隣の組合員の子どもさんの大学入学金100万円の教育ローンで回る。僕が預けた100万円はどこに行くかが見える、つまり、透明で、行き先のはっきりした、血の通った、暖かいお金なわけです。
 これが他の金融機関では、100万円を紙切れになったサブプライムローンに使うかもしれない。子会社のサラ金会社(消費者金融)の資金に回るかもしれない。そして労働者が高利で苦しむことになるかも知れない。僕が善意で預けたお金が、結果的に労働者を苦しませるかも分からない。その意味でいうと、ろうきんに預けたお金と、他に預けたお金は、色はついていないけれど違うのですと、きっちり説得していていかないといけない。
 僕はそのことを労福協60周年を機に、色んなところで訴えていきたい。もう一度原点に戻ろうよ、と訴えていきたいと思っているのです。


活動(仕事)において、目指していることは?


 労福協が、労組やNPO、あるいは市民団体・弁護士・司法書士だとか、色んな方々が寄っていただけるような場所となることを目指しています。
 ある生物学の本で、アフリカにある大きな湖では、色々な生き物が棲んでいて、それでその環境がうまく保たれているとありました。世の中には色んな考えの人がいる。そのことが世の中の強さなんです。おそらく、世間から見ると、労働組合が鉢巻きをして「一枚岩で団結頑張ろう!」とやる光景は異様だと思う。僕は、一枚岩的団結は駄目なんじゃないかと思っているのです。多様性が力を持つ。
 労福協では未組織の方に対し「国民的福祉」として展開してきました。例えばここに10個の机があるならば、労働組合の机もありますね、と。しかし退職者の机もあれば、NPO・市民団体の机もあり、女性の机もあり、障がい者の机もあり、労働金庫の机もあり、弁護士の机もあって......。僕は労福協を、みんなでそこで集れるような組織にしたい。そして排除はしません。
 「情けは人のためならず、回りまわって自分のためになるんだ」という社会性を、僕らは、人間は、持ち続けなければならないと思っています。だから色んな人に集ってもらい、わいわいわいわい、面白そうだなと思ってもらいたい。面白いと、人は集ってきますから。義務感では人は集りません。


くらし・社会をよりよくするために実践していること、提案はありますか?


 多重債務問題(高金利引き下げ)については、労福協で旗を振り、かつて300万の署名を集めました。これがベースになり、2006年に貸金業法の改正が始まり、4段回のステップを踏み、2009年末に最終改正・完全施行となる予定です。  ろうきんの会員のうち、焦げ付かずに順調に返済している人も含め約70万人が消費者金融を利用し、借入額は全体で7,500億円とも言われます。これから総量規制(収入の3分の1以上については貸してはいけない規制)が始まると「貸しはがし」が起きることが懸念されていますが、「貸しはがし」が起きると行き着くのは自己破産か、闇金融。  これらから働く人を守るために、低金利のろうきんに借り換える運動を展開します。さらには、割賦販売法の改正や消費者庁・消費者委員会の設置など、労働組合の中心的な運動の外周を労福協が担っています。


はたらく仲間へのメッセージをお願いします。


 いま、未曾有の経済危機とも言われる市場の暴走で、格差・雇用の問題がクローズアップされ、時代は大きな山場を迎えています。この時代の背景の後押しも受け、いま原点に再び立ち返っていただきたい。 十人十色、多様性が力。変わり者がいて、みんなが集れるところがないとだめなのです。





中央労福協は、1949年に「労務者用物資対策中央連絡協議会」(中央物体協)として発足。労働団体、勤労者が力を合わせて自主的に運営している福祉事業団体、および全国に組織された地方労福協で構成され、勤労者福祉活動を総合的に推進することを目的とする連絡協議会です。「人と暮らし、環境に優しい福祉社会の実現」をスローガンに、構成団体間の福祉活動の連絡調整をはかり、自主福祉活動のネットワークにより未組織勤労者や高齢者も含めすべての働く人々や家族の暮らしの安心と幸せづくりをめざして活動を進めています。



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1月4日〜17日まで募集受付いたします。

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