 |
| |
神奈川県 |
|
 |
| |
| 特定非営利活動法人 サイドワークス ネキスト |
| |
51歳の挑戦
横浜市には、「ユニバーサルタクシーNEXT」というロゴの入ったタクシーが走っている。運行しているのはNPO法人「サイドワークス ネキスト」。非営利のタクシー会社である。保有車両は全て、回転座席やステップを装備した福祉対応車両。人工呼吸器や吸引機なども完備している。障害の有無に関わらず、誰もが利用しやすい移送サービスを切り拓いてきたパイオニアとして知られる。
今では、車両21台、正社員約40人を抱える事業体に成長したが、もともとはボランティア・グループだった。活動のきっかけとなったのは、95年の阪神・淡路大震災。「サイドワークス ネキスト」の理事長・山本宏さんは、当時、大手タクシー会社の乗務員で、労組委員長を務めていた。「震災を機にボランティア活動が活発になってきました。私も、タクシー乗務員として、何か社会貢献はできないかと考え始めたんです」と振り返る。 |
 |
| オフィス外観 |
|
|
 |
 |
| 保有する車は全て福祉対応車両 |
|
山本さんは、横浜市福祉局とも相談しながら、障害者施設と提携した送迎ボランティアを企画。労組を通じて約50人のボランティアを集め、95年秋に活動をスタートさせた。当初は、夜勤明けの乗務員が施設所有の車両で障害者等の送迎を行っていたが、徐々に、個人的に送迎を依頼する人が増えるなど、活動はボランティアの域を超えていった。「ボランティアのままでは、二種免許取得者として”白タク“行為に当たるおそれが出てきた」と山本さんは話す。
勤務するタクシー会社に、企業の社会貢献活動として福祉移送サービスを位置づけるよう交渉も行った。しかし、会社の理解を得ることはできず、山本さんは独立を決意。NPO法施行後すぐの99年に、「サイドワークス ネキスト」を設立した。51歳の挑戦だった。 |
|
 |
年齢を考えると何もできない
01年には、念願のタクシー事業免許を取得。NPO法人としては全国初の快挙だった。しかし、その事業許可は「患者と介護人の輸送のみ」という「福祉限定」だったため、普通のタクシーのように「客待ち」「流し」は認められない。「病院に高齢者を送っても、帰りに”待ち客“を乗せることはできません。経営効率が悪くて、どう頑張っても赤字になる。そのために、重度障害者の送迎を優先せざるをえず、ニーズの多い軽度障害者の送迎に対応できなかったんです」と山本さん。
そこで、「限定解除」して一般タクシー事業者になることを模索するが、高いハードルがあった。法律上、10台以上の増車が必要だったのだ。「赤字だから限定解除したいのに、その資金をどうやって捻出すればいいのか」。難題を前に紆余曲折はあったが、(財)横浜産業振興公社が主催する「よこはまビジネスグランプリ」(起業家支援制度)で表彰されたことをきっかけに、資金調達の糸口をつかむ。そして、06年3月末、ついに関東運輸局から限定解除の承認を受けるに至る。
営業実績も飛躍的に伸びた。06年度の売上げは約2億円。うち約2割が福祉送迎である。「将来的には、50台で売り上げ7〜8億円、福祉と一般の比率を4対6にまでもっていきたい。そこまでいけば、かなりの福祉ニーズに対応できるようになっているはずです」と夢は大きい。
山本さんは現在60歳。団塊世代である。
「ここまでやってくるのに、勇気と資金力が必要だった。しかし、年齢を考えていたら何もできないと思う。ひるまずに、自分の特徴を活かしていけば、必ず道は開けます」と、同世代にエールを送る。
|
 |
| 理事長の山本宏さん |
|
|
<中央労働金庫「団塊世代のためのNPO読本」(2007年4月発行)より転載>
特定非営利活動法人 サイドワークス ネキスト(理事長:山本宏)
〒226-0002 神奈川県横浜市緑区東本郷5−1−33
TEL:045−473−8087 |
| |
|
|
| |