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神奈川県
「視覚に障害を持つ人も楽しんで漢字を学んでもらいたい」
 
点字学習を支援する会
 
  横浜市神奈川区にある横浜市立盲特別支援学校。ここでは点字を使った漢字学習の授業があります。教えるのは、盲学校教員でもあり、「点字学習を支援する会」代表の道村静江さん。
  この会は、全国にいる盲学校教員やボランティアが協力し、視覚に障害を持つ人たちのために、漢字の学習冊子を作成、普及に努めています。

 道村さんが漢字学習に取り組んだのは15年ほど前。点字以外で文字を書くことを可能にした画期的なツール「音声入力ソフト」が開発されたことがきっかけです。
 しかし、視覚障害者は漢字の知識がないために、音声による文字候補の中からどれを選んでよいのかわからず、使いこなせないのが現実でした。これでは、せっかくの社会的自立の機会を失ってしまうと、中高生を対象に指導をはじめたのです。
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漢字学習の授業 道村さんと生徒たち

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漢字学習のテキスト
色のついた点字と併記されている墨字が特徴
  「いっぺんに山のような漢字を覚えるのは、限界があった。 小学生からの積み上げが大切なことに気づきました」
  楽しんで学んでもらうために、点図ソフトを用い、漢字の「かたち」を触ってわかる冊子を作成。「かたち」を覚えることで、漢字の成り立ちを知り、意味を理解する―― 子どもたちは、どんどん知識を吸収していきました。

 「より多くの人たちにも漢字を学んでほしい」道村さんの思いは広がります。01年、ホームページでデータを公開。しかし、高額な点字プリンタがなければ活用ができず、また、点字だけの資料では、家族がサポートできません。それならばと、点字に色をつけ、墨字を併記した冊子と漢字の「音訓読み」「成り立ち」「部首」「語例」などの記した解説書を作成。そして、全国の盲学校・点字図書館への寄贈に踏みきったのです。
 冊子は特殊印刷のため2万円、そして必要部数は300冊。継続して発行するために半数は自主販売にするも、多額の資金が必要です。
数多くの企業・行政の支援は断られる中、インターネットで「助成財団」の存在を知ります。しかし、山のように出した申請も全て断られ、視覚障害者の世界を「紙」だけで理解してもらうことの難しさを実感。
 「会って説明しなければわかってもらえない。いくつもの団体を訪問しました」

 03年、道村さんの努力が実り、三菱財団の助成が決定、1年生分の発行に漕ぎ着けました。これにより、支援の輪が広がります。連合「愛のカンパ」やキリン福祉財団、日本漢字能力検定協会など多くの団体から協力を得、継続発行の目途が立ちます。また、活動が、読売光と愛の事業団「福祉文化賞」を受賞、メディアで紹介される足掛かりともなりました。
 「助成団体がいち早く目を向けてくれたことはうれしいが、いつまでも助成に頼ってはいられない。これからは、もっと漢字にかかわる企業・団体の協力が必要なんです」と力を込める道村さん。
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漢字学習冊子と解説書
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代表の道村さん

「漢字学習は、他教科の理解度を高めることにもつながり、学校教育に欠かせない分野であることを実感しました」
2007年11月には5年生版も完成予定。
  「全国に学習の輪が広がり、みんなが喜んでくれている。とてもありがたいことです」  


点字学習を支援する会(代表:道村静江)
〒221-0005 横浜市神奈川区松見町2-388-29
TEL・FAX 045−431−7685
2006年、中央ろうきんでは、点字学習を支援する会の『視覚障害者の漢字学習(小学校4年)冊子作成と普及』事業を助成しました。
 
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