「National Green Pages」と書かれたその冊子は1年に1度だけ発行されているもので、この中には、国民の視点で選択された全米にある2,000以上の企業データーが集約されています。国民の視点というのは、国民からの情報が重要なデーターベースということです。ここに掲載されている企業は環境問題に積極的に取り組んでいる企業や環境に優しい製品を作っている企業などです。この本の購読者は8万人以上、さらに、Coop-Americaのウェブサイトには200万人のアクセスがあるそうです。これを見た読者や企業は、その対象企業に対して、積極的な投資を考えるわけです。ちなみに会員数は個人会員が5万人、1人15$以上の会費を払う、企業は約2,000企業が参画し、その中で働くスタッフは34名、内フルタイムは29名です。スタート当初は4名でお金もなく非常に苦労したそうですが、今は十分に事業体として活動が成り立っているとのこと。ちなみにこの組織のボスは女性ですが、ハーバードを出て、米国環境省に入りその後環境問題に本気で取り組みたいという意思からこのNPOを立ち上げたそうです。また、同じ事務所内にあるSIFは、スタッフに投資関係のプロを配置し、環境に良い企業に対して一般投資家が安心して投資できるようにアドバイスを行ったり実際の手続きのサポートをおこなったりしていると同時に、地域全体の環境を考えた開発事業のアドバイザーなども行い、開発計画から実施までの一貫したプログラムを提供しています。
話の中では、労働者の地域の最低賃金を守る活動も行われているということで、実に活動は広範囲です。
また、どうしてこのような活動をやるのかという質問に対して、「社会的に意識を持った人たちが、社会に影響を与える事が重要だから」という答えが返ってきました。
【LAAN】
次に紹介する団体は、ロサンゼルスにあるLAAN(Los Angeles Alliance of a New Economy)というところです。この団体の主な活動は「生活する賃金を良い方向に持っていくための活動」。これだけ聞くとよくわかりませんが、主に取り組んでいることは地域の最低賃金の獲得に向けた社会活動の支援です。
まず、この団体のスタートは低賃金のホテル労働者が組織する労働組合から発しています。
80年代後半、組織化と当時の凄腕の女性リーダーのお陰で労働条件が非常に良くなった時期があったそうです。しかしホテルの運営がローカルレベルからグローバルへシフトしたことで、組織化も難しくなり、労働条件も下がりました。そこでその時の組合リーダー マリーエレナは、企業の枠をこえた大きな枠組みで交渉に臨まなくては経営者に対抗できない(日本的にいえば企業内組合活動の限界という感じか)、という強い信念からLAANを発足させました。従って現在でもスタッフメンバーの5〜6名は労組のリーダーで、このことからも労働組合との関係が非常に強い団体であることがわかります。
ちょうど訪問したときに、サンタモニカの最低賃金の審議が大詰めで投票前の一番忙しい時でした。(最低賃金は最終的に投票で決まる)
サンタモニカは観光地ですが、地元の人は非常に貧困者が多く政府による貧困救済処置が取られている地域でもあります。こういった地域で最低賃金を上げていくことは非常に重要な活動です。話によると、経営者は最賃を上げないように、選挙活動を展開するとのことで、今回もかなり厳しい闘いのようでした。(我々もこの後サンタモニカへ移動したが、バスのガラスに支援ステッカーを貼り行動を支援した)